上顎の総入れ歯は、口蓋を広く覆うことで陰圧を生み、粘膜と義歯の間に薄い唾液膜が形成されることで吸着力が得られますが、粘膜がやせていたり唾液が少なかったりすると吸着が弱まり、外れやすさが増します。
また、上顎の顎堤が平坦になっている場合や、咬合がずれている場合も安定性が低下します。
安定させるためには、まず正確な型取りと咬合調整が重要で、歯科医師による適合評価と定期的な調整が欠かせません。
必要に応じて裏装材で密着性を高めたり、咬合面の設計を見直したりすることで、総入れ歯の揺れを抑えられます。
日常的な対策としては、義歯洗浄で表面の汚れを減らし、粘膜を清潔に保つことで吸着を維持しやすくなります。
乾燥を防ぐためにこまめな水分補給を行い、唾液が少ない場合は保湿ジェルの活用を検討すると良いです。
市販の義歯安定剤を使用する場合は、過度な量を避け、違和感や痛みがあるときは使用を中止して受診することが大切です。
上顎の総入れ歯は下顎より吸着が得やすい一方で、わずかな適合不良でも外れやすさが出るため、合わないまま我慢せず、早めに調整を受けることが長期的な安定につながります。



















