総入れ歯は残存歯がない場合の補綴であり、口腔内の粘膜と顎堤に力を分散させて機能を確保するため、個々の体力や口腔状態に合わせた慎重な設計が欠かせません。
高齢者では持病や服薬の影響で口腔乾燥が起こりやすく、粘膜の痛みや安定性の低下につながるため、装着感と衛生管理の両面で負担を減らす配慮が必要です。
総入れ歯の作製では、精密な型取りと咬合調整が重要で、痛みの少ない採得法や段階的な調整を行うことで身体的な負担を抑えられます。
さらに、高齢者は咀嚼筋の筋力低下や顎の骨吸収が進みやすいことから、装着後の咀嚼訓練や食事指導を通じて適応を促すことが望まれます。
総入れ歯は作って終わりではなく、定期的な調整とメンテナンスで長く快適に使えるため、通院しやすい環境づくりや家族の支援も治療の一部として位置付けるべきです。
負担の少ない治療計画を立てるには、既往歴の把握、栄養状態の確認、日常生活動作の評価が欠かせず、高齢者本人の希望を丁寧に聞き取る姿勢が信頼につながります。



















